連載を通して、
【防災・非常用トイレ】のバラ揃えでのポイントなどを記載してきましたが、
バラ揃えが面倒な場合などのために 個人的に「もしセット商品を選ぶとしら」という商品を掲載しておきます。
そして
連載最終回として ゆとりある備蓄のための、
バラで揃えることによるコストカットからの「さらなるコストカットのポイント」を最後に記しておきたいと思います。
〜目次〜
第一回(別ページ)
一般的な【防災トイレ・非常用トイレ】の使い方
スタイル 1: 別にトイレを設ける
スタイル 2: 和式スタイルということについて
スタイル 3: 簡易和式スタイルセット
第二回(別ページ)
セット 1: 便袋
セット 2: 凝固剤
セット 3: 防臭袋
第三回(別ページ)
備品 1: 消毒液・使い捨て手袋
備品 2: ヘッドランプ
備品 3: 携帯ウォシュレット
備品 4: (あえて)トイレットペーパー
コラム: ポンチョ(目隠し)はいるのか?
第四回(別ページ)
「備蓄目安」を考える
平均回数
必要日数
私の場合の備蓄数量
首都直下地震等による東京の被害想定 R4 5・25
第五回(当記事)
「セット商品を選ぶとしたら〇〇」について
セット商品のデメリット
あとがき: コストカットからゆとりある備蓄へ
今回取り上げたグッズリンク
防災・非常用トイレ
「セット商品を選ぶとしたら〇〇」について、そして
コストカットからゆとりある備蓄へ
【防災・非常用トイレ】連載:第五回
【防災・非常用トイレ】という商品が世の中にはたくさんありますが、
安心して使えるトイレセットはそう多くはないと私は思っています。
災害によって「日常」が機能しなくなった場合には
使用した携帯トイレをすぐに廃棄することができません。
つまり
「安心して使えるトイレセット」というのは 使う時点のことだけではなく
廃棄するまで安心できるトイレセットかどうか
ということになります。
携帯トイレ等での排泄を繰り返してきたことから見えてきた
セット商品を選ぶとしたらこれだというもの、そして
セット商品だから故のデメリットなどついて見ていきたいと思います。
「セット商品を選ぶとしたら〇〇」について
トイレセット(便袋・凝固剤・防臭袋)に求めたい各ポイントは <連載:第二回> で取り上げました。
※ 関連記事
防災トイレのメインセット3つ「便袋」「凝固剤」「防臭袋」の各バラ揃えポイント 【防災・非常用トイレ】連載:第二回
monochicken.com 内
今回選んだトイレセットは、その各ポイントを全て満たしてるわけではありませんが、
特に重要と考えるポイントを押さえてる商品としてピックアップします。
早速ですが、
数あるトイレセットの中からセット商品を選ぶとしら
防臭袋で有名な「クリロン化成」から販売されている BOSの非常用トイレセット になります。
そのポイントを見ていきます。
この商品は 洋式便座を活用するタイプで、50回分。
50より上は「100回分」「400回分」とあります。
その内容は、
汚物袋 「排泄用 50枚」(便器カバー用 2枚)(計 52枚)
凝固剤 「50袋」(10年保存)
そして
防臭袋 「50枚」
となります。
使い方としては、
1、洋式便器に「便器カバー用の汚物袋」をセット
2、便座の上から「排泄用の汚物袋」をかぶせる
3、「凝固剤」を入れて用を足す
4、「排泄用の汚物袋」を取り出し 口を結ぶ
5、それを防臭袋に入れて 口を結ぶ
1回の排泄に対し これで完了 となります。
BOSの非常用トイレセットは、重要なポイントとしている
回数分の防臭袋が備わっている ため 私が選ぶとしたらこちらとなります。
「1用便につき、1防臭袋」
つまり「1回の排泄物を、1つの防臭袋に入れて完結する」という その 1点が選んだポイントとなるのですが、
この重要と考える 1点を押さえている非常用トイレセットを個人的には現在 BOS以外には見つけられていません。
・防臭袋自体がない
・その処理袋に防臭性があるか分からない
・1つの袋に複数の汚物袋(排泄物)を入れる(都度開閉しなければならず匂いが漏れる)
などといったことが BOSの非常用トイレセットにはありません。
数ある【防災・非常用トイレ】の中から 廃棄するまで安心できると感じるセット商品は
BOSの非常用トイレセットが「唯一」のものとしています。
冒頭で「そう多くはないと思う」と はぐらかしましたが、
個人的に 安心して使えそうなトイレセット商品は「現在 他にはない」といったところが正直なところとなります。
セット商品のデメリット
セット商品の特徴と思うところは、当たり前のことかもしれませんが
「万能タイプ」「万人向け」 として設計されているところだと思います。
先に挙げた「BOSの非常用トイレセット」に対してもそれが当てはまります。
「1つあれば 排泄に困ることがなく、大便でも小便でも使える」というのが良いところだと思いますが、それが故にコストがかかることはやむを得ません。
具体的なところは あとがきに記しますが、
デメリットを一言で言えば
コストがかかる
になります。
「コストがかかる」ということの影響は 金銭面はもちろんですが、備蓄の量に大きく関わってきてしまうため、
<連載:第四回> で述べましたが いざという時の大きなリスクとなることが考えられます。
そのような理由からも トイレセットはバラで揃えてコストを抑える、そして
ゆとりある備蓄量を確保する。
災害時において
安心して使える物の ゆとりある備蓄は、大きな安心に繋がるのではないでしょうか。
※ 関連記事
何回分 備えるか?災害時におけるトイレの「備蓄目安」を考える 【防災・非常用トイレ】連載:第四回
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あとがき: コストカットからゆとりある備蓄へ
連載を通して記載してきたバラ揃えの各ポイントは あくまで
「携帯トイレというものに慣れていない」「初めての方」でも使いやすいような ゆとりある設定のものを掲載してきました。
※ 関連記事
防災トイレのメインセット3つ「便袋」「凝固剤」「防臭袋」の各バラ揃えポイント 【防災・非常用トイレ】連載:第二回
monochicken.com 内
つまり「万能タイプ」「万人向け」のバラ揃えポイントと言っても良いかもしれません。
それでもセット商品より 大幅にコストを抑えることができるのですが、
携帯トイレを「使い慣れている」「使い込んでいる方」にとってはオーバースペックともなり得る部分があるため、そこを抑えることで よりコストカットすることが可能 となります。
より コストを抑えるためのポイントは「使い込むこと」
携帯トイレを使い込むことで 排泄の技術や 経験は当然上がっていきます。
それによって「自分が使う携帯トイレに必要なレベル」が分かってくることになります。
そこが分かってくると 例えば、
便袋に関しては
→ サイズを下げる(小さい袋の方が低コスト)
→ 厚さを落とす(薄い袋の方が低コスト)
→ 大便袋と小便袋を分けて用意する(排泄に合った袋を使用してコストカット)
凝固剤は
→ 排泄量によって使用量を変える(余計な使用を省いてコストカット)
などといったことが可能になってくるため、備蓄のコストを より削減することができるようになります。
ここで
例えば先ほどのセット商品 BOSの非常用トイレセットを見てみると、
洋式便座にかかるほどの大きな袋に小便だけをするのはオーバーであって、
大便・小便の量に関わらず、個包装された 10gの凝固剤を使うことも適切とは言えません。
そして、
洋式便座にかかるほどの大きな便袋を使うために 防臭袋も大きくなってくるというところも勿体無いポイントとなります。
セット商品が 万能向けであるからこその「オーバースペックとなる部分」と言えると思います。
価格は変動するために例として挙げるのは適切ではないかもしれませんが、
トイレセットに大きく関わる「便袋」「凝固剤」「防臭袋」の3点について
<連載:第二回> のバラ揃え内容と BOSのトイレセット、それぞれ 450回分を賄う備蓄量でコストの比較をすると
トイレセットをバラで揃える場合は、BOSセットの 1/3程度のコスト で揃えることができ、
そして 使い込んで製品内容や使い方を考えれば BOSセットの 1/4程度のコスト で防災・非常用トイレセットを備蓄することができます。
個人的な使用基準で揃えると 450回分の備蓄量でも 1万円には及びません。
(2023年4月現在)
私の場合は BOSセットの価格で その 4倍量のトイレ備蓄ができています。
※ 関連記事
何回分 備えるか?災害時におけるトイレの「備蓄目安」を考える 【防災・非常用トイレ】連載:第四回
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繰り返しになりますが、
コスト面よる備蓄量の抑えはリスクとなり得るので、コストカットを考えることは
金銭面だけではなく、備蓄量による いざという時の大きな安心にも繋がります。
1度だけではなく使い込むことで コストをより抑えることが可能になり、
そして 使い込むことによる「場慣れ」が必ず生きてくるために 携帯トイレは使うこと を強くおすすめしたいと思います。
トイレに限りませんが、
いざという時に「そなえる(備える)」ということは
いざという時のためにグッズを「そろえる(揃える)」ということではなく
揃えて 使いこなす
という意味合いがあるということを忘れないように心掛けていきたいと思います。
■今回取り上げたグッズリンク■
※ 2023年4月現在
パッケージに変更があるようです
(非常用トイレセット → 非常用臭わないトイレセット)
また 他の変更点として、
便器カバーの色(黒 → 青)
汚物袋のサイズ(65 x 80cm → 70 x 70cm)
凝固剤の梱包形態(繋がってるため 1個ずつ切り取って使用 → 一個ずつ小分けされている)
という変更がされているようです
(旧タイプが「Aセット」、現行が「Bセット」という分類の仕方もあるようです)
〜目次〜(上に戻ります)
「セット商品を選ぶとしたら〇〇」について
セット商品のデメリット
あとがき: コストカットからゆとりある備蓄へ
今回取り上げたグッズリンク
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