<連載:第二回> で、
排泄に直接関わる「便袋・凝固剤・防臭袋」に関してのポイントなどを述べました。
今回は、
排泄に直接は関わらないものの【防災・非常用トイレ】セットに加えておきたい「備品」と、「忘れがちなものと思われる備品」といったところを取り上げていきたいと思います。
〜目次〜
第一回(別ページ)
一般的な【防災トイレ・非常用トイレ】の使い方
スタイル 1: 別にトイレを設ける
スタイル 2: 和式スタイルということについて
スタイル 3: 簡易和式スタイルセット
第二回(別ページ)
セット 1: 便袋
セット 2: 凝固剤
セット 3: 防臭袋
第三回(当記事)
備品 1: 消毒液・使い捨て手袋
備品 2: ヘッドランプ
備品 3: 携帯ウォシュレット
備品 4: (あえて)トイレットペーパー
コラム: ポンチョ(目隠し)はいるのか?
今回取り上げたグッズリンク
第四回(別ページ)
「備蓄目安」を考える
平均回数
必要日数
私の場合の備蓄数量
首都直下地震等による東京の被害想定 R4 5・25
第五回(別ページ)
「セット商品を選ぶとしたら〇〇」について
セット商品のデメリット
あとがき: コストカットからゆとりある備蓄へ
防災・非常用トイレセットに加えておきたい「備品」と、
忘れがちなもの???
【防災・非常用トイレ】連載:第三回
トイレセットに加えておきたい
あると良い、必要な、そして忘れてはならないといったようなものたちが いくつかあります。
備品 1: 消毒液・使い捨て手袋
■ポイント■
アルコール消毒液(できれば 酸性)
使い捨て手袋(できれば 白系)
■その理由■
→ 手を洗うことができない
災害による 断水や停電などによって「水が使えない」といった事態が想定されるため、
特に 携帯トイレの使用後などにおいての 手洗い に関して考えておきたくあります。
そこで
「アルコール消毒液」や「使い捨ての手袋」の備えがあると 安心材料の一つになると思います。
アルコール消毒液(エタノール消毒液)には、有効成分のエタノールの pH(ピーエイチ) に着目すると
「中性のままのもの」、と
「酸性、または アルカリ性にシフトしたもの」があるようです。
中性のままのものを 一般的なアルコール消毒液とすると、
一般的なアルコール消毒液は
「エンベロープウイルス」と分類される コロナウイルス、インフルエンザウイルスなどには
有効性があると言われてますが、
「ノンエンベロープウイルス」と分類される ノロウイルス、ロタウイルスなどのウイルスに対しては 有効性が高くない、効きにくい といったことがあるようです。
感染性胃腸炎を引き起こす ノロウイルスも ロタウイルスも
糞便を介した感染経路(糞口感染)があるために、携帯トイレの使用時では特に
一般的なアルコール消毒液ではなく「有効性の高いアルコール消毒液」を使いたくあります。
pH を 酸性、またはアルカリ性 にしたアルコール消毒液は、
ノンエンベロープウイルスに対しても有効性が高い とされているため
私は 一般的なアルコール消毒液に加え、酸性の消毒液も一緒に備えるようにしています。
pH を酸性にした「手ピカジェルプラス」は、
ノンエンベロープウイルスを含む広範囲のウイルスや細菌にも効果を発揮するとされています
※ 有効成分のエタノールは 76.9~81.4 vol%(v/v%)
※ 液性: 酸性
※ 指定医薬部外品
※ 商品名に「プラス」の付かない「手ピカジェル」は中性とされています
(中性の)一般的なアルコール消毒液(医薬品・医薬部外品)の代替品として、
分類上 食品添加物となる「ドーバー パストリーゼ77」は 手指の消毒に使用することができる上に 食品にも直接噴射できるため 活用幅が広く併せて備えています
※ アルコール度数 77 vol%(v/v%)
※ 液性: 中性
※ 食品添加物
※ 500mlスプレー:約0.7ml (目安: 約 700回噴霧可能)
手袋の色も、便袋の色と同様に 白色系 の方が 汚れ等の付着に気付きやすいため
取り扱い時に余計なストレスが発生しにくくなります。
概ね 透明の手袋より 白色系の手袋の方がコストがかかるため、
透明の手袋と 白色系の手袋を状況に応じて使い分けるといいかもしれません。
携帯トイレ等の使用に慣れている私でも、やはりその手のものに触れた後は手を洗いたくなるため【防災・非常用トイレ】セットの必需品として アルコール消毒液と手袋を備えています。
こちらは ニトリル製の手袋(ニトリル手袋・合成ゴム手袋)
よくある比較対象の「ラテックス手袋(天然ゴム手袋)」は天然ゴム特有の匂いや、アレルギー反応が出る場合があるため その代替えとして「ニトリル手袋(合成ゴム手袋)」の需要は高まってるそうです
備品 2: ヘッドランプ・ヘッドライト
■ポイント■
シンプルなヘッドランプ・ヘッドライト
(単三乾電池 一本、バンド 一本、センサー不要、明るさの強さ求めない)
■その理由■
→ シンプルなヘッドランプ・ヘッドライト
ヘッドランプは「両手が空く」「視線と光の先が合う」といったことから必ず備えておきたい防災備品の一つになります。
夜間や停電時に限らず、日中においても
排泄をする場所、携帯トイレを使う場所は薄暗いことが多いため 両手が空く光源 は何かと役に立ってきます。
単三乾電池 一本
ヘッドランプにも電源の種類がいくつかあるのですが、電池を確保しやすい乾電池タイプ のヘッドランプが扱いやすいかと個人的には思います。
ポータブルバッテリーなどで電力を十分に確保できている場合であれば 充電式タイプのヘッドランプでも良いと思うのですが
充電をしている時に代替え品がないと「光源がない」ことになるため、電源を即座に替えられる乾電池タイプがやはり好ましく思います。
「単三電池 一本」のものが 電池の管理もしやすく 扱いが楽でおすすめです。
バンド 一本
側頭部と頭頂部の 二本のバンドで頭につけるタイプのヘッドランプもあるのですが、
側頭部一本だけで頭につけるヘッドランプの方が そのバンドの少なさから
バンドが絡む煩わしさがなく、また首から下げるという使い方もしやすい ためにバンドは一本のものが扱いやすいとしています。
センサー
センサー付きのヘッドランプというものは、
指で直接ボタンを押さずともランプの点灯・消灯ができるというものになるのですが、
下手なセンサーはその感度に不都合がある場合があり、必要のないところで点灯したり消灯したりとして煩わしいことがあります。
センサーが付いていてもその機能を OFFにできるものであれば OFFにすればいいだけの話しですが「センサーの必要性」としては特に必要はないとしています。
明るさの強さを求めない
ヘッドランプを選ぶ時に目につきやすい項目として「明かりの強さ」があります。
アウトドアなど広いところでの使用を目的とするのであれば強い光が有効な場合もあります。
また強い光の方が より大きな安心感を覚えやすいものとなりますが、
明かりの強さをそこまで求める必要はないとしています。
明かりが強いライトは 携帯トイレ使用時などの近距離では見づらかったり、人と向き合った時に目をくらませやすいこともあるので 明るすぎるライトは逆に避けた方が無難かもしれません。
※ サンプルでリンクを貼ってますが ↑ 価格がモンベル公式サイトとは大きく異なる場合があるためご注意ください
3段階の明るさ調整ができます
点灯時は 一番明るさが弱い 温もりのある電球色の光からスタートするため、目に優しく周囲に配慮した仕様となります
アウトドアでも日常でも愛用しているヘッドランプです
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備品 3: 携帯ウォシュレット
■ポイント■
電源の要らないもの
シンプルなもの
■その理由■
→ 電源の要らないもの
災害時は電力等が確保できない、しにくいことがあるため 電源の要らないもの、つまり
手で握る圧力でシャワーを出すもの が一番有効だと思っています。
→ シンプルなもの
乾電池式のものでも電池の備蓄があれば使用時に困らないかもしれないのですが、電力を使うタイプの携帯ウォシュレットの場合「故障する」ということも可能性としてあり得ます。
そのため、手で握って使うだけのようなシンプルな作りのものの方が
軽量かつ 安価な上に、故障ということも起きにくく 災害時などには特に有効だとしています。
総じて、携帯ウォシュレットを使用するためには
「水を確保している場合」という条件があるのですが、特に普段から温水洗浄便座を利用している方にとっては 水と共に備えておく と大きな安心に繋がります。
使用するペーパーの量を減らすこともできる上、
シャワーやお風呂が使えない場合は尚更 清潔感が保たれるのも大きなメリットでしょう。
電源不要で、安価
見た目も医療品ぽくなく、仰々しさもないため導入しやすくあります
水が十分に確保できない場合、ボトルの水量の 1/3の使用だけでもかなりお尻はスッキリします
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備品 4: (あえて)トイレットペーパー
■ポイント■
忘れずに備えたい
■その理由■
トイレに必須なトイレットペーパーですが、
「備蓄するもの」を意識して考えたときに 当たり前のもの過ぎて抜けやすい ものと感じたために あえて「備品」の一つとしてここで取り上げました。
日常的にトイレットペーパーを多めに備えている方なら問題はあまりないと思われるのですが
「在庫が無くなったら買い足す」という方は特に忘れずに数を備蓄したくあります。
「トイレットペーパー 1ロールでどれくらいもつのか」
「いつも買っているトイレットペーパーの 1袋の量でどれくらいもつのか」
個人の使い方によって大きく差が出る部分なため、自分自身や家族の使用量を把握しておくと備えやすくなると思います。
忘れずに備えたい ところです。
「備蓄用」といったものがあることを知りました
確かに 剥き出しで長い間保管した場合は、湿気による劣化や 虫害などがあるのかもしれません
個人的には、特殊なものは備蓄せず「常に多めに備えて順繰り使う」という方法をとるようにしてますが、こういった商品を見つけたことで「ペーパーの保管の仕方」を考えさせられる良いきっかけになりました
コラム: ポンチョ(目隠し)はいるのか?
■ポイント■
必要性を感じていない
■その理由■
→ とても排泄しづらい
携帯トイレでの目隠しとして「ポンチョ」がよく推奨されているのですが、実際に使えばその「排泄のしづらさ」を痛感することと思います。
ポンチョで首から下を覆った場合 単純に 匂いや熱のこもりは著しく、また
お尻や股間が見えなくなるために 大・小便の排出具合が 非常に把握しづらくなります。
そのため、携帯トイレを使い慣れてない方にとっては特に
「携帯トイレというものの使用」を より難易度の高いものにする 傾向が強くあります。
それでは目隠しはどうすればいいのか、というところですが、
自宅避難での、<連載:第一回> の内容の「個室トイレ以外での携帯トイレ使用」を想定した場合となりますが、
空いている部屋や、風呂場を活用したり、また
家具等で物影を作ったスペースでトイレの使用をすれば ポンチョなどは必要ありません。
しっかりとした物影を作れない場合は、雨傘などを開いて置いて 一方向を隠すだけ でも大きな安心感を得られます。
拘束がなく体が自由になるため 被り物のポンチョより遥かに排泄がしやすくなります。
屋内でのトイレブース用に プライバシーテントなどを選ぶ場合は、
設営が簡単なもの、透けにくいもの、底がないもの、色は明るめのものが 災害時には特に有効と感じます。
以上のような理由から 個人的にはポンチョは備品として「不要」としています。
■今回取り上げたグッズリンク■
トイレの使用後に限らず 手を洗えないことが想定される災害時においては特に
広範囲のウイルスや細菌に効果がある酸性のアルコール消毒液を備えていたくあります
手指の消毒だけでなく「食品にも直接かけられる」というところが やはり大きなメリットと感じます
災害時には特に 活用幅の広いものは重宝しそうです
ニトリル手袋は 食品に直接触れられるため、災害時等でのトイレ以外での活用幅もあります
パウダー(コーンスターチ)が肌に合わない場合があるため、パウダーフリーの手袋はその点 安心感があります
※ サンプルでリンクを貼ってますが ↑ 価格がモンベル公式サイトとは大きく異なる場合があるためご注意ください
防水仕様も、
あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない IPX6 仕様のため 突然の雨でも困ることはありません
単三乾電池 一本のヘッドランプです
愛用しています
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真冬等で温水洗浄を求める場合、ガスの備蓄と コンロがあれば温水を作ることができます
鍋で温めたその温水を利用すると より快適です
(その場合、関連記事 ↓ にある「温水洗浄の注意点」をご参照ください)
こちらも愛用品となります
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「トイレットペーパーの保管」について考えさせられる良いきっかけとなりました
次回は、
【防災・非常用トイレ】によくある 数や日数などの「備蓄目安」について考えたいと思います。
~目次~(上に戻ります)
備品 1: 消毒液・使い捨て手袋
備品 2: ヘッドランプ
備品 3: 携帯ウォシュレット
備品 4: (あえて)トイレットペーパー
コラム: ポンチョ(目隠し)はいるのか?
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